スキーヤーのオフトレについて考えるページ、スキー専門フィジカルトレーニングサロンです。
今回は前十字靭帯(ACL)損傷の具体的な受傷機転を知り、そこから予防トレーニングを考えていきます。
1、受傷機転
2、予防への考え
3、まとめ
スキー中の受傷機転
ACL損傷の受傷時の姿勢に目を向けると、
・体幹の後方傾斜
・膝関節の外反・内旋
の2点が考えられます。
前回の記事で紹介した、slip-catchメカニズムや後方重心での滑走がこれに当たります。
何故この姿勢がACLを損傷しやすいのかは、膝関節について知っていると理解できます。→こちらの記事を参照ください。記事内の3項目目が参考になります。
受傷機転の例を下記に添付します。

ターンのタイミングが遅れてしまい、バランスの悪い後方・内方へのポジションとなってしまっています。結果外脚スキー(谷側)の制御が出来ていません。

山側へ内脚スキーが切れ上がる為、外脚スキーの内側エッジが雪面に食い込み、急な膝への内旋ストレス(Knee-in Toe-out)が生じ、その力を逃すことが出来ず、ACLが損傷しました。
予防への考え
今回写真で説明した例のように、膝への内旋ストレス(Knee-in Toe-out)は原因ではなく、結果であることが分かります。
その為、内旋ストレスを引き起こしてしまった、体幹の後方姿勢や股関節のロック(内旋ストレスの固定)を改善することが陸上トレーニングでは大切になります。
①後方姿勢の予防
正しいポジションへの働きかけが大切です。
・ハムストリングのエキセントリック活動と体幹筋群や身体感覚へのトレーニングが大切になります。
(正しいポジションについてはこちらを参照ください→記事【後傾ポジションを解決する!】)
②股関節のロック(内旋ストレスの固定)
股関節が内旋位で固定されてしまうと、股関節でエネルギーの吸収が出来ません。
・股関節で外力を吸収するトレーニング。
・内旋エネルギーを別の部位でいなすトレーニング(運動の順番や胸椎の自由度を高める)。
・臀部や大腿二頭筋の柔軟性。
・股関節外旋筋群の筋力。
などなど
以上のような陸上トレーニングが考えられるでしょう。
具体的なトレーニングについてはお近くのトレーニング専門家にお問い合わせすることをお勧めします。
スキー専門フィジカルトレーニングサロンでも、お問い合わせお待ちしております。→お問い合わせ、トレーニング詳細はコチラ
まとめ
受傷機転について、バイオメカニクス的観点で解説しました。しかし、受傷シーンはあくまで現象であり結果です。結果に至るには、技術不足や心身との関係、そして予防策で提案するような身体の機能の問題が挙がります。
身体の機能を改善することは勿論ですが、スキー技術や心の面も関わります。特に学生アスリートには大切なことです。
「防げる怪我は防ぐ!! リスクを減らす!!」
先ずはオフシーズン身体の機能を改善していきましょう!
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