#14 前十字靭帯(ACL)損傷について知ろう 疫学とポジション

スキーヤーのオフトレについて考えるブログ、スキー専門フィジカルトレーニングサロンです。

膝の特徴についてはこちらの記事でご紹介しましたが、そんな特徴がある膝は怪我が多いです。中でもACL(膝前十字靭帯)損傷は特にスキー競技で多い膝の怪我です。

多くの選手が悩まされてきました。国内では、手術から競技復帰には基本的には8ヶ月を要するといわれます。

そんなACL損傷の基礎知識について、まとめたいと思います。

1、疫学

2、スキー中の受傷機転について

3、まとめ

1、疫学

※1関東労災病院リハビリテーション科の報告によると、H7年4月〜H14年9月までに当病院で手術を行い論文の筆者が担当した701名へ調査を行ったところ、患者のスポーツ種目ではスキーが1番多かったそうです。

文献※1より引用、一部改変

また、※2スポーツ種目別の他の報告でも452症例中、バスケットボール30%、スキー17%、バレーボール10%、サッカー9%とスキーの患者が多いことがわかります。

性差による受傷率では、※3中学校1年生から高等学校3年生の運動部活動におけるACL受傷件数年間約3,000件では,女性は男性より2.8倍発生頻度が高いという報告があります。

以上のことから、

・スキーはスポーツ種目の中でもACL損傷が多いスポーツである。

・ACL損傷頻度には性差がありそうだ。

という2点がわかります。

2、スキー中の受傷機転について

スキーでのACL受傷機転では、※1スキーのエッジが引っかかり自身の能力では制御できない外力が働き、膝へのストレスが加わることで、ACLを損傷するケースが多いです。

「スキーのエッジが引っかかり制御出来なくなってしまう」原因の一つに、後傾姿勢が強く関係しているのではと考えています。

その考えの裏付けとして、※4BereらのワールドカップのアルペンスキーによるACL損傷のビデオ解析を行った研究が当てはまります。

その研究ではビデオ解析を20例行いました。その半数以上がターン中に後内方にバランスを崩し、制御不能になった板が再びエッジを捉え後方へ転倒するslip-catchメカニズムでした。

その他にも4例がジャンプの着地の際に後方重心となりACLを受傷しています。

つまり、20例中14例が体幹の後方傾斜(後傾姿勢)で受傷していることがわかります。

3、まとめ

スキーヤーに多い前十字靱帯(ACL)損傷の要因の一つに後傾姿勢が挙がります。

オフシーズンの陸トレで出来ることは、後傾姿勢を改善するために、体幹筋群と下肢との協調性のトレーニングです。

勿論、受傷要因は多岐にわたります。更に要因が複雑に絡み合った結果で怪我が起こると私は考えています。

今回の記事では疫学と後傾姿勢のみに目を向けています。今後は様々なリスクファクターや予防トレーニングを紹介できたらなと思います。

最後までお読み頂き有難うございます。

【参考文献】

※1「膝前十字靱帯損傷に関する検討:スポーツ種目と受傷機転の調査」理学療法学Supplement 理学療法学Supplement 2002(0), 467-467, 2003 公益社団法人 日本理学療法士協会  

※2「臨床スポーツ医学 2018年4月 Vol.35 332」

※3「理学療法ジャーナル 51巻9号 疫学調査からみたACL損傷と動作」

※4「Mechanisms of anterior cruciate ligament injury in World Cup alpine skiing: a systematic video analysis of 20 cases.Am J Sports Med. 2011 Jul;39

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